6月10日(土)

9時劇場へ。
照明のシュート。

10時頃やっとスタッフによるテクニカルリハーサルが出来た。
沢市内から山の段への転換稽古もスムーズに問題なく、スタッフもわかってくれたようだ。
予定の10時半を少し過ぎて技芸員さんも加わっての舞台稽古。
(西)
我々の後見の仕事もうまくこなす。
12時終了。
取材用の撮影が舞台上で行われた。
 
僕もプロのカメラマンに混じってシャッターを切る。


照明の細かい手直しが始まる。
 
何とか背景幕についた影を消そうといろいろやってくれる。
思わず「それくらいええのとちゃうん?」と言いそうになるくらいだった。
緞帳を閉めて客の来場を待つライトアップされた客席。いい雰囲気だ。

開場をかなりすぎても、なかなか席につこうとしない。ここも一緒だ。
5分遅れで「お七」の幕が開いた。パリではもちろん日本製の雪だ。
そして幕が閉まり、すぐに勘十郎さんによる解説。
始まったばかりのワールドカップにあわせて文楽人形にもサッカーボールを蹴らせて客席を沸かせていた。
(西)
20分の休憩の後、「壺坂観音霊験記」が始まる。
一丁キ(日本の表現ではチョンだけどヨーロッパではピンという。どうもピンの方が音の表現としては正しいような気がする。)で幕を閉め、山の段への転換。
沢市の屋台を舞台奥へ移動して山の台を前に出し数枚のパネルを建て背景幕を下ろす。人形遣いも手伝って下さって理想の1分半ほどで幕を開ける。
飛び降りた沢市を探してお里が息堰切って山を駆け上がる。簑助さんもお元気だ。
お里も飛び降り、一丁キにて転換。スムーズに進行。
山添君のキザミで幕を閉める。
そしていよいよカーテンコール。2回までは段取りを決めていたが、後は状況次第。判断はジョエルさんにお任せした。
1回目、お里と沢市の2人だけのカーテンコール。
2回目、床の2人と鳴り物も参加した。幕を閉める。拍手が鳴り止まない。
3回目、少し長く見せた。
幕を閉めてジョエルさんの指示が、インカムでつながったヴィンチさんに届く。
ゴーサイン。鳴り響く拍手。僕たちも鳥肌が立つくらい興奮してきた。
4回のカーテンコールが終わる。皆興奮冷めやらぬ状態だった。
今回も打ち上げの太鼓はやめた。帰りかけた客を呼び戻すことになる。見終わった客はしらけて劇場を後にするのがヨーロッパの観劇状況なので、日本式を通すか迷うところだが、ここはやはり西洋に従った。

少し照明の手直しをすると言うが、ヴィンチさんに任せて我々4人はフランソワさんに車でお勧めのワインショップに連れて行ってもらった。
 
僕はとりあえずお土産に1本とホテルで飲むつもりで安いものを1本買ったが、「これはフランスワインじゃなくてスペインのものだ」と店のおばさんに言われたが、すぐに飲むからこれでもいいと言う。中司君は5本も買っていた。
劇場に戻り、パリで評判の弁当を食べる。
去年のEU公演のために作ったTシャツのあまりを数枚持ってきてたので、フランソワさんたちにプレゼントする。
背中の漢字の意味なども教える。
Sサイズも何枚かあったのでサイズが合う人には差し上げると言ったら、照明のグラマーなナタリーがいいだろうと男共が言い出し、プレゼントしたらさっそく着込んで我々を楽しませてくれた。やたらセクハラだ何だとうるさく言わないところがおおらかでいい。

8時5分、本日2回目の公演。

10時終演、そしてカーテンコール。
3回目には「ブラボー」の声なんかも混じって大いに盛り上がったのでした。
全ておわり、舞台横で初日祝いパーティー。ビールやワインやシャンペン。
僕たちもここのスタッフたちと片言の英語でコミュニケーション。
アルコールがなくなったので、僕は楽屋に持ってきていた日本酒を出して、日本式の乾杯で杯をあける。
1時間ほどでお開き。